幕末五段重

秩父泉水釜・小嶋先生の骨董仲間の眼鏡店の店主より譲り受けたお重です。骨董好きの店主のギャラリーは、趣味の域を超えたスペースでした。資料館のようなギャラリーで、一番私の印象に残ったものが、写真のお重です。確か古民具の上に置かれていたと記憶します。堂々とした風格・色合い。「素敵だなー、かなりお高い物なのだろうなー」と、しばし見とれてしまいました。帰りの車の中で、小嶋先生に尋ねてみました。「先生、あの五段重、すごく気に入ったんですけど高いんでしょうね。」すると先生は「掛け合って上げようか、1万ぐらいで大丈夫だよ」「えっ!それではお願いします」。即決で決めて今が有ります。年代は「幕末物」。江戸か明治かはっきりしないときに、骨董やさんが使うあいまいな言い方だそうです。ところどころ漆がはげていますが、丁寧に金の漆で修理してあるところが、またまたいい雰囲気を醸し出しています。骨董にはまってしまった大きな要因は、どのようなめぐり合わせでこの品が私のところにきたのか、想像することが楽しいからです。サイズもかなり大きいので、料理を盛る時は大変ですが、お花見など大勢の野外のイベント時大活躍します。今年ももうすぐお花見。「幕末五段重」上手に盛り付けられるかな・・・・。1重25cm×25cm×7cm。
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クロッカスが咲きました

春ですね。晩秋に植えたクロッカス。小さな芽を出し、見事に花開きました。夫の創作の花器(飛騨鍬を巻いた焼き締め)。とても植物に負担をかける形状です。発芽までは水平に置き、目が出たところで立てかけると、花は太陽の方へ方へと伸びるので、写真のような形になります。寒い冬を一生懸命越して、人間のわがままを受け入れて花開いたクロッカスは、本当にいとおしくて、頭が下がります。花器寸法・30cm×20cm×9cm。
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ダラダラ造りの小鉢が以外にも・・・・

陶芸をやり始めていつも思うこと。なんだか出来上がった作品がいまいち。土いじりは無心になれるので楽しいのですが、駄作ばかり。重くて品が無い。ダラダラ何となく造ったのが写真の作品。お決まりのお茶碗形。手捻りで造るといつも同じおわん形になるのが私の癖。泉水釜の小嶋先生は「これ、山口さんのでしょ!すぐこの形で分かりますよ」。変化がほしくて耳のような取っ手をつけました。お猿さんのような印象の小鉢です。アメ釉薬をたっふりかけました。綺麗な焼き上がりで愛嬌のある器になりました。食卓では、ドレッシングやソース入れに使っています。へんてこな形ですが、以外に食卓で主張しすぎないけなげな小鉢です。直径7cm・高さ8cm。
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中国の青磁は、民族の美意識

ビオングループの小川社長に戴いた逸品です。中国では「青磁」は神品と呼ばれる焼き物で、崇高な美しさは民族の美意識を表しているものだそうです。歴史のある中国や韓国の焼き物からうけるパワーは、独特のものを感じます。シンプルだからこそ感じる風格・伝統からくるものなのでしょうか安心感。民族の歴史そのものなのでしょう。青磁のように堂々と美意識を失うことなく、生きたいものです。ビオンの小川社長は日本と中国で大変活躍されていらっしゃる、素敵な女性社長。いろいろなアイデア豊富で、いつも勉強させて貰っています。有難うございます。青磁小鉢直径10cm・高さ5cm。
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初めての作品・コーヒーカップ

泉水釜・小嶋先生の工房ではじめて作ったコーヒーカップ。しゃれたつもりで造って見たが、これまた非常にコーヒーカップの役目は果たしません。持ち手の握りにくさ。飲み口のデザインがまたもや波打っていて、口をつけると脇からコーヒーがこぼれてしまいます。そしてずっしり重い重量。今は殆ど小物いれ状態です。使い勝手を考えての物造りは、本当に難しいですね。白萩釉薬・鉄釉薬で絵付け。直径6cm・高さ8センチ・重量?g。
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紅葉をイメージした小鉢

自作の小鉢。手捻りで作りました。紅葉の葉っぱのようにデザインしたつもり。泉水釜の小嶋先生に言われたこと。「このようなデザインは、不ぞろいな形や大きさをカムフラージュできるのでいいですね」。やっぱり先生はお見通し。私の作品はいつでも器の縁が波打ったデザイン。無意識のうちに誤魔化したデザインをしていたのだと、鋭いところをつかれてドキリ・・・。それでもアメ釉薬に白萩釉薬。綺麗な色に仕上がったので満足。可愛い小鉢です。直径6cm・高さ5cm
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斎田英代さんの赤織部と生き方

私のデザインのお師匠さんが、昨年銀座で個展を催しました。あいにく仕事の関係で、個展には伺えなかったのですが、夫の見立てです。赤織部・高い高大付の豆小鉢。赤織部は初めてです。織部というとグリーンとベージュが印象的ですが、赤織部は鉄分の多い赤土を用い、文様は白化粧土の組み合わせで桜が描かれている珍しい作品です。とても熟練された丁寧な仕事でなければ、出来ない作品を感じました。斎田さんは、一匹狼で焼き物の世界を生きてこられた方です。よく「斎田さんは何焼きですか?」と尋ねられるようです。「私のは全て斎田焼きです」と答えるそうです。伝統や師弟関係が厳しい中で、自由に生きてこられた斎田さん。強くて優しく柔軟で謙虚。小樽に帰られる前日、楽しくお食事をさせていただき、語らいの中で感じました。好んで織部の作品を創られていたことは以前から承知していましたが、織部の歴史を伺って斎田さんの生き方と通じるものがあることを知りました。ありがとうございます。
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「春」の贈り物

本日大好きな友人から、私の「打撲」を気使って、お見舞いのお花が会社に届きました。桜・チューリップ・スイートピー・石楠花・青い麦穂それからそれから、はじめてみた手まりのような可愛い花(ちゃんと調べなくては)。淡い色々な桃色・ピンクがとても優しく、ワクワクさせてくれました。アレンジメントがとても素敵で、花の選択と形状が何とも言えず、感動を頂きました。寒い冬に背中を丸めて、閉じこもっていた体が、春の香りをかぎつけて、しゃんと背筋を伸ばしたような、アレンジはすごく元気をもらいました。先日、別の友人から「暖かくなってきたのでランチでもどうですか」と、メール受信。皆、春を待ちわびていたのだなーと嬉しい気持ちになりました。「春」の贈り物、気持ちがいっぱい感じ取れました。ありがとうございます。
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